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2023/07/29

  • コラム

「雑」を侮るなかれ

「雑多な」とか「雑用」とか、「雑」にはあまり良い意味がないように感じますね。
ところが、「『万葉集』は、何と『雑』の分類から出発する」と紹介した「折々のことば」(朝日新聞連載記事)があります。

「『雑』の分類から出発する」とは、他にも分類項目があるということ?と調べてみると、國學院大學デジタルミュージアムのサイトにいろいろと述べられていました。https://d-museum.kokugakuin.ac.jp/
雑歌、相聞歌、挽歌の三つの分類になっているとのこと。それで、第一巻は雑歌から始まっているとのこと。雑歌には祭祀、儀礼、「(宮廷生活などの)ハレの場」を歌っているとされています。(む、む、む、難しい…)「雑」にはカテゴリー分けが容易にできない内容が含まれているということですね。しかも、祭祀など神に通じることや「ハレの場」などを含んでいる「雑」には決して悪いイメージがしません。

白川静の「常用字解」によれば「雑」は…

様々なものが混じっている旨が書かれています。それがゆえに「価値のひくいもの」という解釈も生まれたようです。「雑種犬」などがそういうイメージでしょうか。
それでも、お雑煮、雑穀、雑菌、雑草、雑食、、、、、改めてこのような言葉を見るとなんか、力強さを感じませんか? 「雑」は決して悪いイメージの意味だけでもないように思います。
実に多様なもの、時には神々しさもあるようなもの、を内包している「雑」。安易な分類を許さない感じ。「雑」を侮るなかれ、です。(「雑記帳」もアイデアの宝庫かもしれませんし。)

そういえば、「建築(の品質を支えるの)は『雑学』だ」と言った人もいます。一言では言い表せない、一言で言ってしまうと細部を見落とす恐れもある、お客様の様々なご要望にお応えするには、「雑」を大切にしていかなければならないのでは、と思いを新たにします。

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