本計画地の苦楽園は、関西屈指の高級住宅街である西宮七園の一つに位置し、多くの財界
人･文化人の豪邸が立ち並ぶ美しい街並みが形成されており、西宮市有数の文学スポットと
しても知られています。

計画地は開発事業により宅地整備を行った敷地で、南側に進むに連れてひな壇上に土地が
下がっており、大阪湾までの絶景を眺めることができる素晴らしいロケーションとなって
います。

プランニングは、施主様のご要望である車３台分の駐車スペースとエントランスをコンク
リート打放しのゲートにて包み込む形状でアプローチしていきました。
南側の隣地が2.5m ほど下がっていることを利用し、１階のフロアーラインを地盤面より
1.5m 程高く設定することで視線(目線)を更に上げて、空間にプラスαの解放感を与え、
先ずはLDK を一番良い位置に配置して、南側に開口部を大きく設け、どこにいても景観を
楽しめる空間構成としています。

LDK には、大きな吹抜けを南側テラスに向かって配置することでダイナミックな空間を演
出し、また全館空調を採用しているため「どこにいても、いつでも」快適な空間に仕上がっ
ております。

外壁は総タイル貼りとして気品漂う構成とし、深い軒先が陰影をつくり出し、コンクリート
打放しゲートにて力強さを与え、余白には植栽を配置して全体に趣のある佇まいを生み出
しています。

造成工事も含め着工～竣工まで1 年を要し、施主様と共に築き上げた非常に思い入れ深い
作品となりました。
この建物・風景と共に時を重ね、住まわれるご家族がゆっくり流れる時間を楽しみながら過
ごして戴けることを願っております。

【竣工データ】
■建築場所／西宮市
■建物の工法／木造 在来工法
■竣工日／2023年8月
■担当営業／市中 克典
■担当建築士／足立 雅哉
■担当インテリアコーディネーター／宮田 純子