2023/08/10
- コラム
教育も研修もややこしい
教育については誰もが一家言あると言われます。学んだ環境で身についたそれぞれの思いがあるからでしょう。
公教育の場では、塾や予備校とは違い、知識を伝えればそれで終わり、ではないでしょう。「教科書を教える」「教科書で教える」という違いもあるように、単に知識だけでなく、深い理解力や見識などを身に付けることも教育に期待されているでしょう。
また、文部科学省のサイト内には「教育カテゴリー一覧」というページがあります。
https://www.mext.go.jp/a_menu/a002.htm
なんと広範囲なのでしょうか。教育は簡単な言葉で語れませんね。
文科省の管轄ではない「社員教育」というカテゴリーもあります。教育行政という言葉があり、「教育」は私企業内では使わない方が良いように思いますので、「社員研修」としておきます(「研修行政」という言葉はないですね)が、これもややこしいです。
「社員研修」でも単に知識を与えるだけなら簡単でしょうが、そうはいかないことがあるのでややこしいです。
教え教わる場に参加したことのある人は、教育であれ研修であれ、教える(教えられる)ことが「一方通行」で終わるような単純なものではないことはよくわかっています。教わる側の人たちが全員「学びたい!」と思っているわけでもないことはあります。勉強の場に意欲がなかった者は良いイメージがないまま社会人になって研修を受けているかもしれません。また、教わる側になった誰しもが、教わる内容だけでなく、教える側に立っている人を観ている(「この人、どんな人?」みたいに)ということもあります。
場所もあって教材もあって教える側に立つ人もいて、と状況が揃っているように見えても研修後にその効果があったかどうかはわかりません。研修では「参加した→聞いた→仕事に戻った→聞いたことを忘れる」みたいな流れがあるのでは、と指摘されたのは中原淳(今は立教大学教授でしょうか)だったと思います。(この先生が伝える「大人の学び」の教えは興味深いです。)
一筋縄ではいかない社員研修であっても、会社は社員の力量の向上のためにやらなければなりません。試行錯誤をする中ではありますが、研修のタイミングは、新しい環境に入る直前直後に実施すると効果があるように思います。新しい環境でうまくやっていく術が教われそうだと感じれば真剣になるでしょうから。(損得勘定でやっても効果ないかな?)
また、本当に大切ことはしつこく教え続けることも必要でしょう。「そんなことも知らんのか?」とか「まだ分からないのか?」とか言ってしまって、パワハラと受け取られたら…と、社内研修はややこしいですね。